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社内通貨を導入するメリット・デメリットを分かりやすく解説

自社の社員限定に発行する独自の社内通貨には、さまざまなメリットがあります。導入を検討している企業向けに、具体的なメリット・デメリットを分かりやすく解説します。

目次[非表示]

  1. 1.社内通貨とはインセンティブ制度の一つ
  2. 2.社内通貨を導入している企業・具体例
    1. 2.1. -株式会社ディスコ
    2. 2.2. -株式会社ベネフィット・ワン
  3. 3.社内通貨を導入するメリット
    1. 3.1. -社員のモチベーション向上
    2. 3.2. -労働環境が改善される
  4. 4.社内通貨を導入するデメリット
    1. 4.1. -運用コストの発生
    2. 4.2. -社員全体への認知・メリットの説明が必要
  5. 5.社内通貨の注意点
    1. 5.1. -導入目的を明確化する
    2. 5.2. -利用方法・条件はシンプルかつ簡単にする
  6. 6.効果を最大化させるための工夫
    1. 6.1. -コンピテンシーモデルを作成する
    2. 6.2. -全社導入を徹底する
    3. 6.3. -常にブラッシュアップしておく
  7. 7.まとめ:社内通貨を導入して従業員満足度を高める


社内通貨とはインセンティブ制度の一つ

社内通貨とは、企業独自の通貨を指します。通貨といっても通常使用しているような「お金」だけを指すわけではありません。企業ごとに詳細は異なりますが、独自の通貨や紙幣を発行するのではなく、社内で使えるポイントシステムを利用しているのが一般的です。

社内通貨制度は、2005年頃から導入する企業が増えてたとされます。給与とはまた違った、インセンティブのような位置づけと使われることが多いです。

すぐに使うこともできますし、必要に応じて貯めておくこともできます。また企業によっては、商品やサービスと交換することも可能です。


仮想通貨とは全く別のもの


社内通貨は実際に通貨や紙幣を発行することはないという点で仮想通貨と似ていますが、全く別のものです。仮想通貨は社内・社外問わずに不特定多数の人が利用できます。しかし社内通貨はその企業に勤めている社員しか利用できません。

つまり社内通貨は、社内に社員専用の銀行があるイメージです。

社内通貨を獲得するチャンスは企業ごとに異なりますが、たとえば以下のようなタイミングで付与されます。

・時間外労働を減らせた部署

・優秀なプレゼンテーションを行った社員

・社内コンテストの商品

・採用活動に協力した謝礼

・目標の歩数をクリアした(健康に気を配っている) など

企業ごとに特色のある制度を設け、社内通貨を付与しているケースも多いです。


社内通貨は福利厚生になるのか?


社内通貨をインセンティブとしている会社もありますし、福利厚生の一つとしている会社もあります。どちらにするかは会社ごとに違いますが、インセンティブか福利厚生かによって、課税になるか非課税になるかが変わります。

すべての社員を対象とする福利厚生とするなら、非課税になるとされています。

社内通貨を導入しようと考える多くの企業は、社員だけでなくパートやアルバイトなども対象としていることが多いです。

また、社内通貨を使って社内製品の交換を行う場合は「社員割引」として扱われるため、非課税になることが多いです。また社員旅行などと交換する際も、基本的には非課税となります。

ただし社内通貨を換金する場合は、給与を見なされるため、課税対象になるので注意が必要です。



社内通貨を導入している企業・具体例

ここでは社内通貨を実際に導入している企業と、具体例をご紹介します。


 -株式会社ディスコ

半導体切断装置の大手である株式会社ディスコでは「will」という社内通貨を導入しています。「will」とは社内通貨の名前であり、社員が自分の採算を管理する「単位」としても使われています。

社員一人ひとりに適用されており、仕事をすればその分がwillとして収入となります。仕事を頼んだり、備品や会議室などの設備を使った場合や自分の人件費などが支出となます。

「will」という名称は、社員の意思を応援したいという気持ちと、成功には報酬、失敗には痛み(課金)が必要という思いがこもっているそうです。結果はもちろん、責任も権限委譲するという独自の仕組みを採用されています。

willによって収支を見える化することで、社員は客観的・定量的に自身のパフォーマンスを確認可能です。また自分の意思で業務選択を行い、互いに納得した上で業務を遂行します。

これによって自分の意志でキャリアデザインが可能なため、社員のやりがい向上にもつながるとしています。


willが始まった経緯


2003年に部門ごとの採算を可視化する「部門will」が開始されました。半導体業界は変動が激しく、部門別の採算に関して素早い意思決定を行いたいとの思いからだったそうです。

ただ導入の結果、部門長や特定の担当者の意識は改革できましたが、それ以上は浸透しませんでした。多くの社員は賞与の直前にしか意識しない状態だったそうです。

そこで、個人レベルで収支を意識できるように「個人will」が取り入れられました。これによって全社員の意識向上が図られたのです。さらにすべての仕事を「案件掲示」し、上司から指示を貰って仕事を行うのではなく、仕事をやりたい人がオークションなどで案件を落札する仕組みも取り入られました。

仕事を個人の意志で決められるので、得意分野を交換することも可能です。その結果、働きがいやモチベーション向上につながったとされています。


willで仕事を選べる「社内オークション制度」


willの画期的なシステムの一つに「社内オークション制度」が挙げられます。

仕事オークションサイトで公開された仕事を「これくらいのwillで担当します」という意志を示し落札する制度です。

「オークション」と名の付く通り、人気のある仕事はやりたい人が多い一方で、人気のない仕事は価格を上げないとなかなか落札してもらえないこともあります。

そして出品者と希望者両方の合意がなされた時点でwillの価格が決まり、仕事が発注されます。


これにより多様な働き方が実現したとされています。たとえば、困難な仕事に率先して志願して多くのwillを稼ごうと考えている人もいれば、willの獲得よりも早く帰りたいという育児中などの人もいます。ライフスタイルや考え方、能力に応じて自由に働き方を選べる点も、willの特徴といえます。



 -株式会社ベネフィット・ワン

株式会社ベネフィット・ワンは、福利厚生事業を運営する企業で国内トップシェアを誇ります。ベネフィット・ワンでは、「BIPo (Benefit-one Insentive Point)」という社内通貨制度を導入しています。会社に対する貢献度や業績に対して「インセンティブとして、h¥付与されます。

BIPoは主に以下のような特徴があります。

・部門ごとに設定された基準をクリアすれば付与される

・社員同士が感謝の気持ちをBIPoで贈り合える

・貯まったBIPoは約2万種類のサービスや商品の中から好きなものと交換可能

BIPo導入後は、部門ごとに評価基準が設けられ、インセンティブとしてBIPoが付与されるようになりました。

これによって成果までのプロセスや業務への意欲、関わり方など、より細かい人事評価が可能になったとしています。

また社員同時がBIPoを贈り合える制度を導入したことにより、社内コミュニケーションの活発化にもつながったそうです。


社員のエンゲージメントを高めることにつながる


BIPoを導入することによって、社員のエンゲージメント向上につながったとされています。エンゲージメントを高めるとは「会社と社員のコミットメント」が高い状態にあるとされています。すると、以下のようなメリットが挙げられます。

・離職率低下につながる

・仕事に対してポジティブな感情を持つ

・顧客と良好な関係を築ける など


「働きがいのある会社」になることで、さまざまな良い効果が期待できるのです。



社内通貨を導入するメリット

では具体的に、社内通貨を導入することでどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは社内通貨を導入するメリットを2点ご紹介します。


 -社員のモチベーション向上

社内通貨の導入によって、社員のモチベーションアップが期待できます。社内通貨は主に成果が出た時や謝礼として付与されることが多いです。仕事で成果を出した時に社内通貨で評価される仕組みがあれば、仕事へのやる気もアップするでしょう。

また、社内通貨は目に見える成果を出した人だけでなく、サポートや事務などで仕事を頑張っている人の評価にも使いやすいのが特徴です。人のサポートに徹したり、仕事が丁寧だったりなど、人事部が拾い上げにくい行動についても評価されるきっかけになります。

これは社内通貨が、社員同士の視点でも評価が行いやすい仕組みとなっているからです。

全社員が評価される可能性があることで、モチベーションは大きく上がる可能性があります。



 -労働環境が改善される

社内通貨の導入は、社員の労働意識を変えることによる労働環境の改善も期待できます。

近年、所定外労働の削減に取り組む企業は増えていますが、なかなか大きな改善まで至った企業は少ないとされています。

そこで、「定時退社をした社員に社内通貨を付与」「長時間労働の軽減ができた部署に社内通貨を付与」などの使い方をすれば、社員が労働環境の改善に取り組むことが期待できます。

さらに、残業時間に応じて手持ちの通貨をマイナスにするなどの制度を取り入れれば、残業時間の削減につながるでしょう。



社内通貨を導入するデメリット

社内通貨はメリットの多い方法ですが、デメリットも存在します。導入時を検討する際には。デメリットもしっかり理解しておく必要があるでしょう。

ここでは、社内通貨を導入するデメリットをご紹介します。


 -運用コストの発生

社内通貨導入においてまず考えなくてはいけないのが、運用コストの問題です。社内通貨の導入にはほとんどの場合、新しくシステムを導入しなくてはいけません。外部のシステムを使えばそれだけ運用コストもかかります。

また必要なコストは、金銭的なコストだけではなく、時間的コストも必要です。社内通貨と導入後、社内で定着させるには使い方の説明やトライ&エラーの時間が必要となります。こうした時間は本来の業務を削ってやることになるため、時間的コストと考えられるでしょう。


そのため導入前にはまず、どれだけの運用コストがかかるのかしっかりと計算しておきます。また社内通貨定着までにかかる時間的コストも計算し、こうしたコストよりもメリットが上回るか計算しましょう。

さらに「コストに見合った効果はあるのか」「長期的に運用できるだけの予算を確保できるか」なども検討することをおすすめします。



 -社員全体への認知・メリットの説明が必要

社内通貨を効率的に使ってもらうには、社員全体への認知やメリットの説明が必要でしょう。せっかく導入しても、使われないのでは意味がありません。しかし、新しいシステムを導入する際には、少なからず社員に負担を強いてしまいます。

そのため、きちんと説明しないまま導入を決めてしまうと「使われない」というリスクが発生してしまいます。使う人がいなくては、想定していたメリットは生まれません。

こうした事態を防ぐためにも、「どんなシステムを導入するのか」「それが社員にとってどうメリットがあるのか」をきちんと説明することが大切です。

研修を実施したり、資料を配布したりなど、分かりやすい形で周知を行いましょう。



社内通貨の注意点

社内通貨はただ導入すればいいというものではありません。効果を最大限に引き出すには、注意しなくてはいけないことがあります。ここでは、社内通貨の注意点をご紹介します。


 -導入目的を明確化する

社内通貨を導入する際には、まず「なぜ導入するのか」という目的を明確化しましょう。

「社内通貨導入によってどんな効果を期待しているか」「どんな目標を掲げて運用するか」など、目的や目標を具体的に決めていきます。

目的や目標を明確化したら、次はサービス選定を行いましょう。目的や目標が明確化されていれば、サービス選定の際にも重視したいポイントが分かります。

目的に沿った機能が搭載されたサービスを選び、構築していきましょう。



 -利用方法・条件はシンプルかつ簡単にする

社内通貨を導入する際には、まず利用方法や条件はシンプルかつ簡単にするのがおすすめです。社内通貨制度は長期間、継続的に運用することでメリットがあるシステムです。

最初から複雑で多機能、条件が多すぎるシステムを導入してしまっては、周知や定着までに時間がかかってしまうでしょう。また利用方法や機能が多いものはコストがかかるものも多いため、ノウハウがない会社が導入するにはあまり向いていないでしょう。


まずは利用方法や条件がシンプルで簡単なものを導入し、定着させることを目的にしましょう。そして長期間運用できる体制を整備し、徐々に自社に適した制度へと成長させていくのがおすすめです。



効果を最大化させるための工夫

コストをかけて導入することになりますから、できるだけ効果を最大化させるための工夫も行いましょう。ここでは効果を最大化させるための工夫についてご紹介します。


 -コンピテンシーモデルを作成する

社内通貨を導入後、活用が進んでいくと企業・社員双方にとって、行動指針(コンピテンシー)の浸透などのメリットがあります。コンピテンシーとは、主に人事評価の一つの手段として使われるものです。高い成果を出せる社員が「どう行動したのか」「どんな思考をしているのか」という行動指針を把握し評価基準を設けるというのが、基本的な考え方とされています。

社内通貨導入後、多くの社内通貨を貰っている人は、それだけ評価が高い人ということになります。そうした高い成果を出せる社員の行動をみなが倣うことによって、生産性の向上等が期待できるでしょう。


そしてこうしたコンピテンシーを実務で使うためにモデル化したものが、コンピテンシーモデルです。一般的に以下の3つのモデルがあります。

・理想型モデル

企業を求める人材をモデル化にしたもの

・実在型モデル

実際のハイパフォーマー社員をモデル化にしたもの

・ハイブリット型モデル

理想型と実在型を合わせたもの

どのモデルにするかは業種や職種などによっても違いますので、よく検討しましょう。



 -全社導入を徹底する

社内通貨は、全社導入を徹底することが重要です。せっかく導入した社内通貨も、社員が理解して使用しなければ意味がありません。

また一部の部署や社員のみが使用していても、効果を最大化することができないでしょう。

社員のやる気や生産性向上、人事評価などにもつながることですので、全社導入を徹底しましょう。



 -常にブラッシュアップしておく

社内通貨は定期的に見直しを行い、ブラッシュアップすることが大切です。

「当初はシンプルな機能の社内通貨を導入したものの、社員が慣れてきたから機能を増やしたい」などがあれば、社員の意見を聞いたり、コストを計算したりして新しいものを取り入れるのも一つの手段です。

上手く回っていないのであれば、システムや社内施策そのものを見直すことも大切です。



まとめ:社内通貨を導入して従業員満足度を高める

社内通貨は導入することで、社員同士のコミュニケーションの活性化、モチベーション向上、労働環境の改善など、さまざまな効果が期待できます。

しかし、社内通貨はただ導入しただけでは効果を最大限に発揮することはできません。まず自社がなぜ社内通貨を導入したいのかという目的を明確化し、それに見合った社内通貨の導入を考えましょう。そして、社員に「社内通貨を利用することでどんなメリットがあるか」を周知します。

社内通貨制度はアイデア次第で多様な目的に利用できるので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。







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