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コンピテンシーとは?人事評価や採用に取り入れる具体的な方法を解説

人事評価や採用に取り入れる企業が増えている「コンピテンシー」はどのような場面で使うのか、導入メリットは具体的にどういう効果があるのか詳しく解説します。

目次[非表示]

  1. 1.コンピテンシーとは優秀な人材の行動特性
    1. 1.1. -可視化しにくい性格や価値観が影響する
  2. 2.コンピテンシーが重要視され始めた背景
    1. 2.1. -ハイパフォーマーには共通点がある
    2. 2.2. -年功序列から成果主義へと人事評価が変わる
  3. 3.コンピテンシーの具体的な実践方法
    1. 3.1. -人事評価項目に導入する
    2. 3.2. -採用活動・面接に取り入れる
    3. 3.3. -教育研修に活用する
  4. 4.コンピテンシーのメリットとデメリットとは
    1. 4.1. -メリット
    2. 4.2. -デメリット
  5. 5.効果を最大化させるための工夫
    1. 5.1. -コンピテンシーモデルを作成する
    2. 5.2. -全社導入を徹底する
    3. 5.3. -常にブラッシュアップしておく
  6. 6.まとめ:コンピテンシーを人事評価基準に導入しよう


コンピテンシーとは優秀な人材の行動特性

コンピテンシー(competency)とは、高い業績や成果を出す人の行動特性のことを指します。

1970年代のアメリカでマクレランド教授が調査した結果、好業績を残す人には共通の行動特性があることを発見しました。

この発見によって、コンピテンシーが広まり、アメリカの多くの企業が取り入れるようになったとされます。

日本では年功序列型の人事評価が一般的だったため、1990年代前半までコンピテンシーの概念は広まらなかったといわれています。その後、徐々に日本でも成果主義志向が高まったことから、コンピテンシーが注目されるようになりました。

少子高齢化によって働き手が不足する中、多くの業界で生産性向上が求められています。そのため、高い業績をもたらす人材を求めている企業が多くなり、再びコンピテンシーが注目を浴びています。



 -可視化しにくい性格や価値観が影響する

コンピテンシーは可視化しにくい性格や価値観が影響するとされています。たとえば、「感情に流されずに冷静に行動ができる」や「率先して行動し、状況に応じた修正ができる」「初対面の人間に対しても好印象を与える行動ができる」など一見では難しい「思考部分」などが挙げられます。

コンピテンシーは、具体的な行動ではなく、「なぜその行動をとったのか」という「動機」や「価値観」などの重視するものです。そのため、コンピテンシーは可視化しにくいものであるという特徴を持っています。



コンピテンシーが重要視され始めた背景

近年、コンピテンシーが再び重要視されるようになりました。コンピテンシーの導入には、社員の行動の変革や優秀な人材を採用する際の見極めなどで使用されています。

さらにコンピテンシーが注目されている背景には以下の理由が考えられます。



 -ハイパフォーマーには共通点がある

コンピテンシーでは、高い業績を生み出す「ハイパフォーマー」には共通点があるとされています。もともと、コンピテンシーはアメリカで生まれた概念で、1970年代井行われた調査が元となり人事用語として使われるようになったとされます。

当時調査を行ったマクレランド教授は、外交官の「採用時のテストの成績」と「配属後の成績」の調査を行いました。その結果、「テストの成績や学歴は、業績とさほど関係はない」という結論に至りました。そして、「高い業績を残すものは、共通する行動特性がある」ことを見抜いたのです。

社員一人ひとりが高い業績や成果を出せるようになれば、生産性向上が期待できます。

このことから、企業はハイパフォーマーを生み出そうとしている、またはハイパフォーマーを採用するため、コンピテンシーを取り入れようとしていると予想されます。



 -年功序列から成果主義へと人事評価が変わる

現在の日本は、年功序列型から成果主義型へと人事評価方法が変わってきています。従来の日本では、ほとんどの企業が年功序列型を取り入れており、長く勤めた分だけ評価が上がっていました。

しかし現在では勤続年数や業績だけでなく、その業績を上げることにつながる能力なども評価されるようになりました。そのため、能力評価基準としてのコンピテンシーが注目されています。



コンピテンシーの具体的な実践方法

コンピテンシーは、主に「人事評価」「採用活動」「教育研修」などで取り入れられています。ここでは、コンピテンシーの具体的な実践方法についてご紹介します。


 -人事評価項目に導入する

コンピテンシーの一般的な活用方法とされるのが、人事評価項目です。

人事評価項目にはコンピテンシーに基づいた「コンピテンシー評価」や、個人目標の達成度で評価する「MBO(目標管理制度)」上司や部下、同僚などから多面的評価を行う「360度評価」などが挙げられます。

その中でも、評価のブレが少ないとされるのが「コンピテンシー評価」です。

コンピテンシー評価は、高い業績を上げている人の行動特性を基に評価項目や基準などを設定し、人事評価を行う方法です。行動特性とは「なぜその社員は高い業績を残せるのか」という理由に当たる部分のことです。

仕事ができる人にインタビューなどを行い、行動や思考の傾向を調査します。

単に能力面でだけでなく、その人がどんな行動をしたのかの特性を把握して評価基準に盛り込みます。

会社が社員に求める「仕事ができる人」を評価項目に取り入れることで、明確な目標を提示できます。その結果、社員の意識の高まりが期待できるでしょう。



 -採用活動・面接に取り入れる

コンピテンシーは採用活動や面接に取り入れることもできます。自社に適した人材を獲得するためには、「面接で求職者の本質を見抜く」「採用基準の明確化」などが求められます。コンピテンシーはそのうち、採用基準を明確にする際の指標として使われることが多いです。

たとえば、自社で高い業績を残している社員のコンピテンシーを基に採用基準を設定すれば、入社後に活躍が期待できる人材を見極めやすくなるでしょう。

コンピテンシーを面接に取り入れる際には、基準となる社員のコンピテンシーレベルを測りましょう。コンピテンシーレベルとは、面接マニュアルを作る際に設定しておきたい評価のレベルです。以下のように設定されていることが多いです


レベル1 受動行動

「人から指示されたから」「言われたことをやった」など、主体性がない行動レベルを表します。


レベル2 通常行動

必要最低限の行動は自分で行うが、創意工夫はなく自身の意図がない行動レベルを指します。


レベル3 能動・主体的行動

明確な理由を持って主体的に行動するという判断ができるレベルです。

決められたルールの中でも、より実績を出すために自分なりに行動を起こします。


レベル4 創造・課題解決行動

主体的に行動し、課題を発見したら自ら進んで解決に向かう行動を取れるレベルです。

また独創的なアイデアなどを生み出します。


レベル5 パラダイム転換行動

これまでにない発想を生み出し、周囲にとってこう有意義な状況を作れる行動レベルです。

固定観念に縛られず、新しい価値を生み出すこともあります。

これらのレベルに照らし合わせ、その社員がとった行動をヒアリングしましょう。

指標としてマニュアルに記載し、面接時に同じような行動を取れる人材かどうかを質問を通して判断します。



 -教育研修に活用する

高い業績を残す人材(ハイパフォーマー)の行動を職場で再現させるべく、教育研修に活用されることも多いです。

通常の教育研修などは、成果の低い人材に注目し「なぜ成果が上がらないのか」に注目しがちです。

コンピテンシーを活用した研修はそれとは逆に、ハイパフォーマーの成功要因や行動を分析し、それを再現する知識や動機付けなどが行われます。

コンピテンシーを使った研修は、大きく2つに分けられるとされています。


モデルを研修内で作成する


研修内でコンピテンシーモデルを作る場合、人事部の工数とリソースが削減できます。

社員同士でモデルを作成するため、共通認識と理解を得ることができるでしょう。

さらに、モデルを再現しようという積極的な行動も期待できます。

ただし、社員同士でモデルを作成した場合、企業の経営戦略に沿っていないモデルとなる場合もあります。そうした事態にならないように、研修担当者が正しい知識を持ってサポートする必要があるでしょう。


モデルを人事部が作成する


コンピテンシーモデルを人事部が作成する方法です。

人事部が研修までにハイパフォーマーへ調査と分析を行い、受講者に取ったアンケートなどを加えてモデルを作成します。

工数とリソースが必要となりますが、自社が必要とするモデルに限りなく近いものが作成できます。

また、モデルを作るまでのプロセスは、人材開発体型の検討や人材戦略なども活用できるでしょう。



コンピテンシーのメリットとデメリットとは

コンピテンシーの活用はメリットも多いですが、デメリットも存在します。ここではメリット・デメリットについてご紹介します。


 -メリット


生産性の向上につながる


コンピテンシーを導入する際には、ハイパフォーマーへヒアリングを行い、明確に項目を決めます。明確な基準があることで、企業が社員に対してどんな行動を望んでいるのかが分かりやすくなります。

社員一人ひとりがコンピテンシーを意識した行動をとるようになり、その結果、社員が成長することによる生産性の向上が期待できます。


経営ビジョンの可視化


コンピテンシー評価における全社共通の項目は経営ビジョンを反映させたものです。企業が理想とする人物像に設定されているため、経営ビジョンが分かりやすく、浸透しやすいでしょう。


公正な人事評価が可能になる


コンピテンシーを使った評価モデルを作成することで、公正な人事評価が可能になります。従来行われてきた人事評価は上司の評価に依るものが大きく、属人化しやすいとされていました。上司は部下の働きを間近で見ていますが、どうしても感情などの主観が入りやすくなってしまいます。

コンピテンシーを使った評価基準を導入すれば、明確な基準があるため、属人化を防げるでしょう。

また評価された社員も「どの点が評価されたのか」「より良い評価を得るためにはどんなスキルを上げればいいのか」が把握できるため、結果を受け入れやすくなるでしょう。


戦略的な人材マネジメントを行いやすい


コンピテンシーを基にすると、社員がどんな行動を取るかが明確になるため、人材マネジメントを行いやすくなります。

行動の管理も行いやすくなるため、適材適所の配置も可能になるでしょう。その結果

組織全体の業績向上や社員のストレスや不満の軽減などが期待できます。


 -デメリット


設定に時間がかかる


コンピテンシーを導入する際には、ハイパフォーマーへのヒアリングを部門ごとに行わなくてはいけないため、項目の設定に時間がかかります。コンピテンシーを設定する際には「一人だけに聞けば済む」というものではなく、職種や役割別に項目を定めなくてはいけません。

さらに、ハイパフォーマー自身が「なぜ自分が高い業績を上げられているのか」「自分のどんな行動が成果に結びついているのか」を理解していないと、コンピテンシーを明確にできないこともあります。

その結果、導入までに長い時間がかかってしまうこともあるでしょう。


長期間変更しないと変化に対応できなくなる


コンピテンシーは一度設定したら終わりではなく、定期的に見直しをして変更しなくてはいけません。時代の変化と共に効率的なやり方が変わってくるため、仕事のやり方も変えなくてはいけないでしょう。

コンピテンシーの設定に時間がかかるからといって、いつまでも同じ設定にしていては、時代遅れになり、変化に対応できなくなる可能性があります。


コンピテンシーの抽出自体が難しい


コンピテンシーを導入するには、ハイパフォーマーの行動や思考を分析しなくてはいけませんが、それを抽出すること自体が慣れていないと困難です。

ハイパフォーマーの行動や思考にどんな特徴があるかは、職種や企業によってさまざまです。そのため、テンプレートなどがなく、会社が一からコンピテンシーを確立するしかありません。ノウハウがない会社はここで躓いてし合うことも多いでしょう。

さらにハイパフォーマーに中には、自身野行動や思考を上手く言語化できないこともあるため、ヒアリングが困難な場合も多くあります。


効果を最大化させるための工夫

コンピテンシーの効果を最大化させるためにはいくつかの工夫が必要です。ここでは、コンピテンシーを導入する際に行いたい工夫を3つご紹介します。


 -コンピテンシーモデルを作成する

コンピテンシーモデルとは、コンピテンシーを実務で使うためにモデル化したものを指します。モデル化するためには、業種や職種ごとに構築する必要があります。

主に人事評価などで使われ、客観的な評価が可能になります。


コンピテンシーモデルは一般的に、3つのモデルで構成されます。

・理想型モデル

企業を求める人材をモデルにしたもの

・実在型モデル

実際のハイパフォーマー社員をモデルにしたもの

・ハイブリット型モデル

理想型と実在型を合わせたもの


どのモデルにするか決定したら、次はハイパフォーマーだけのチームを作り、聞き取り踏査を行います。

「行動モデル」「仕事上で何を重視しているか」などをヒアリングし、一般社員とハイパフォーマーの違いを探ります。具体的にどう違うか、どのように業績につながっているかなどをモデル化します。

コンピテンシーモデルは、人材の評価・育成、採用面接などで用いられます。



 -全社導入を徹底する

コンピテンシーは、全社導入を徹底することが重要です。せっかく作成したコンピテンシーモデルを使った人事評価制度や研修制度なども、社員が理解していなければ意味がありません。社員のやる気や生産性向上、人事評価などにもつながることですので、理解のための働きかけを行いましょう。 

また、全社導入をスムーズに行うために、それぞれの職種においての具体的な業務内容に置き換えましょう。以下では、職種ごとのコンピテンシー例をご紹介します。 


全社共通のコンピテンシー


・冷静 

どんな時でも落ち着いて物事に向き合う

・誠実

仕事や他人に対して敬意を払いながら仕事をする

・慎重

メリット・デメリットをきちんと考慮した上で行動を起こす

・ストレス耐性

落ち込むような出来事やミスがあったとしても切り替えて対処する

・自己理解

自分について理解する

・行動思考

自身のためになることで行動を起こすことを躊躇しない

・柔軟思考

環境や状況の変化に応じて柔軟に考え、対処する

・素直さ

自分とは違った意見を持っている人物でも受け入れる姿勢を見せる など


職種ごとのコンピテンシー


営業職:数値目標がある場合

営業職や販売職など、数値目標が明確な職種の場合は、具体的な数値で結果が分かるような行動が求められます。


・徹底性

一度挑戦すると決めたことに対して目標達成まで挑戦する

・リスクテイク

失敗の可能性を考慮した上で、チャレンジする

・顧客に対する対応

誠実な対応を行い、売上につながる行動を取る

・係数処理能力

数字が表す意味を迅速に理解する

・ストレス耐性

落ち込むような出来事があったとしても立ち直れる


コミュニケーションとチームワークが重要な職種


チームで仕事を行ったり、人とのコミュニケーションが重要な職種は、対人関係を重要視した行動が求められます。


・思いやり

相手の立場に立った考え、相手のことを理解して対処する

・親密性

他者から見て親しみやすく感じが良い

・チーム精神

組織がより効率よく職務を遂行できるように行動している

・上司や先輩との関係

上役とのコミュニケーションをしっかり行う

・傾聴力

丁寧に相手の話を聴く

・素直さ

相手に反発せずまず受け入れて話を聴く


情報共有が重要な職種


総合職など社内での情報共有やノウハウ化が必要な職種の場合、社内で情報を共有する行動が必要です。


・情報収集

さまざまな情報源から情報を仕入れている

・情報整理

収集した情報をすぐに使えるように整理する

・情報伝達

相手が必要としている情報を機会を逃さず伝える

・情報活用

収集した情報を社内共通のノウハウにしている

・情報発信

収集した情報を自分なりに追加・修正を行い、周囲に発信している


クリエイティブなスキルが求められる職種


企画職など、クリエイティブなスキルが求められる場合は、既存の概念にとらわれない発想や問題分析能力などが求められます。


・視点の広さ

先見性・革新性を持っている

・アイデア思考

新しい発想で情報の活用を考えられる

・論理思考

物事を客観的に捉えた上で、筋道を立てて自分の考えを整理できる

・状況分析

物事の原因と結果を正確に分析できる

・解決策の立案

担当業務に潜む問題や将来的な課題に対するプランニングができる



 -常にブラッシュアップしておく

コンピテンシーは定期的に見直しを行い、ブラッシュアップすることが大切です。

特に経営企画や経営方針などが変更される際には、人事評価を見直すことも多いでしょう。その際に、コンピテンシーの見直しを行うことで、より効率的な運用が可能になります。

見直す際にはコンピテンシーが上手く機能しているか、実行可能なものだったか、ハイパフォーマーは増えているかなどの検証を行いましょう。

上手く回っていないのであれば、コンピテンシーモデルや社内施策そのものを見直すことも大切です。



まとめ:コンピテンシーを人事評価基準に導入しよう

コンピテンシーは、ハイパフォーマーに共通する行動特性を分析することで、社員一人ひとりの成長や生産性向上につながることが期待されます。

さらにコンピテンシーは、人事評価や採用、教育研修などにも活用が可能です。コンピテンシーを導入することで、評価基準が明確になり、社員もどんな行動を目標にしたら良いのかが分かりやすくなるでしょう。

ただし、コンピテンシーの導入には時間が必要です。ハイパフォーマーへのヒアリングや職種ごとの落とし込み、定期的な見直しなど課題もあります。自社が無理なく運用できる方法を模索しながら、コンピテンシーを導入してみてはいかがでしょうか。



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