
うつ病社員が増えている?うつ病防止策を解説
「うつ病の代名詞とも言われる5月病」
「うつ病にかかりやすい人の特徴」
「うつ病時の症状と防止策」
ゴールデンウィークやお盆休みなどの大型連休の後に注意したいのが「うつ病」です。
なんとなく仕事にやる気が出ないとか、人間関係が突然面倒くさく感じるなど、人によって感じ方は違います。
明確な治療薬がないことも厄介な点です。
自分は若手社員じゃないから関係ないと思っている人はいませんか?うつ病は、学生や若手社員だけでなく、社会人経験を多く積まれているベテランの会社員の方にも襲い掛かることがあるものです。
ここでは、うつ病を発症しやすい人の特徴や、その傾向が少し見られたときの防止策について書いていますので、参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.うつ病の代名詞とも言われる5月病
- 1.1.5大疾病にもなった「うつ病」
- 1.2.対策すべきは新入社員や学生だけではない
- 2.うつ病にかかりやすい人の特徴
- 2.1.責任感があって真面目な性格タイプ
- 2.2.理想主義タイプ
- 2.3.我慢強く、大人しいタイプ
- 3.うつ病時の症状と防止策
- 3.1.うつ病の症状
- 3.2.うつ病防止策
- 3.3.ポジティブストロークで信頼を寄せる
- 4.社員が「うつかも?」と感じたときの上司の理想
- 4.1.活き活きとした仕事姿を見せる
- 4.2.短期目標管理をする
- 4.3.新入社員も一人前に扱う
- 5.まとめ:明るさと信頼関係でうつ病を治療
うつ病の代名詞とも言われる5月病
うつ病という言葉よりも5月病という言葉の方が有名になってしまったかもしれません。5月病は正式名称ではなく、医師に診断された場合には、「うつ病」または「適応障害」と言われる場合が多いようです。
5月にはゴールデンウィークという大型連休があり、その連休明けにうつ病を発症する人が多かったことから5月病と命名されました。
5月だけでなく、長期休暇の後には陥りやすいですので、体調だけでなく、心のストレス状況にも気を配りたいです。ただ、新年度で気持ちを切り替えて頑張ろうとする人が多い中、特に気にするべきは最初の大型連休がある5月と言えます。
5大疾病にもなった「うつ病」
一昔前は4大疾病というくくりで、「がん」・「脳卒中」・「急性心筋梗塞」・「糖尿病」がありました。
ここに、うつ病などの精神疾患が加えられて、今では5大疾病と呼ばれています。
現代人が苦しむ病の一つとなっているうつ病。
気持ち次第で簡単に治療ができると思ってはいけません。
当人しかわからないかもしれませんが、全身から気力を吸い取られているような感覚は、仕事以外でも日常的な動作にさえ、倦怠感を覚えることがあるほどなのです。
対策すべきは新入社員や学生だけではない
長期の連休明けにすぐにうつ病を発症するということは少なく、徐々に体にだるさを感じるようになるということがほとんどです。
対策すべきは若手社員だけではありません。
学生の間でも5月病という言葉を冗談交じりに使う人もいますが、事はもっと深刻です。連休が明けてから、1ヶ月、2ヶ月が経過してしまう人もおり、6月病、7月病などとも呼ばれるようになってきました。
もはや、学生や新入社員だけの問題ではないのです。
うつ病にかかりやすい人の特徴
うつ病を発症しやすい人もいれば、うつ病と無縁な人もいます。最大の分岐点は性格になるとも言われています。仕事をしているけど、責任感が全くなく、周りから何を言われても自分のペースを守れてしまうような人もいるかもしれませんが、このような人はうつ病とは無縁です。ただ、社会人であれば、一定のストレスにさらされているでしょう。また、食生活など、普段の生活リズムもうつ病と関連性があります。
ここでは、うつ病にかかりやすい人の特徴を3つに分類していますので、参考にしてください。
責任感があって真面目な性格タイプ
真面目で責任感があるというのは社会人の理想です。
しかし、頑張り続けることを美徳と考えている日本人ならではの弊害かもしれませんが、自分の心身が疲れ切っていることに気が付いていないケースがあります。
仕事をすれば体力を消耗しますし、仕事上の人間関係では精神力も消費します。息を抜くということと、「さぼっている」ことは違います。
新しいプロジェクトに参画するようになったり、新しい仕事をやり始めたりするときには、最初は多少の無理も必要かもしれません。
しかし、それが継続してしまうと、自分への負担にしかなりません。
挙句の果てにはなんでも自分で抱え込んでしまい、塞ぎ込むことにもなりかねません。
頑張りすぎていないかを振り返るようにしたいところです。
理想主義タイプ
理想を高く掲げている人も要注意です。高い理想を持つことは非常に大切ですが、それが実現可能でない理想になってしまうと、今の自分とのギャップからストレスを蓄積することになります。
時間が経過しても、自分が理想に近づけていないことを知れば知るほどにやる気は起きなくなってくるでしょう。
いきなり高い理想を掲げるのではなく、達成可能な目標を少しずつクリアすることによって成長できるような段階を分けた方がよいでしょう。
我慢強く、大人しいタイプ
我慢強いことは大切です。仕事をすぐに投げ出すような人よりも信頼できます。そして、黙々と仕事をする人も周囲からの評価は高いでしょう。
多少のことは我慢出来ていると思っていても、その負担は自分の想像を超えているものかもしれません。
自分のことを自分で客観的に見つめ直すことは難しいことです。
何かに我慢しすぎていないのかを思い起こし、ストレスのはけ口をしっかり持つことが重要です。
うつ病時の症状と防止策
普段と比較して倦怠感が増していたり、やる気が起きないと感じたりしたときにはうつ病予備軍である可能性があります。重度の症状はかかりつけ医に相談するなどが必要になります。
うつ病の症状を知っておくことで、自分の今の状態と比較してみましょう。また、うつ病防止策についてもまとめています。
うつ病の症状
誰でも気分の落ち込みはあるものです。仕事で上手くいかなかったり、大切な人やペットとの別れなどによって気分がふさがる時はあります。しかし、うつ病の場合には、直接的な原因が見当たらない場合や、原因が根本から解決したにも関わらず、
・食欲がない
・質の良い睡眠ができない
・やる気が起きない
・イライラする
などの症状が出ます。
気分が落ち込むことが継続的に続くのが「うつ病」です。気分的な回復と落ち込みが交互に現れる「双極性障害」もあります。
自分がうつ病予備軍になっていないかどうかは簡単にチェックできます。
・毎日の生活が充実していると思っていない
・好きなことが楽しくなくなってきた
・面倒くさいと感じることが多くなってきた
・自分が存在している意義が分からなくなってきた
・理由は分からないが疲れている感じがする
この項目が毎日のように続いているようであれば、うつ病予備軍、または、うつ病になっている可能性が高いです。
自分だけでなく、周囲の人の様子も見てあげるようにしましょう。
うつ病防止策
うつ病を防止するためにはどのような方法があるでしょうか。基本的には、「食事」・「睡眠」・「休養」です。
◆食事
感情的になりやすくなっていると感じている場合には大豆製品や乳製品を積極的に摂るとよいかもしれません。
これらの製品にはセロトニンが含まれており、精神の安定に大きく関与しています。
◆睡眠
長くだらだら眠るというのとは少し違います。
頭の中で眠らなくてはいけないという切羽詰まっているように考えてしまうのは逆効果です。
睡眠は時間よりも質を重視できるとよいでしょう。
睡眠時間を短くしても、質が良ければ、疲れもとれます。
◆休養
睡眠以外の部分でも心身ともにリフレッシュをすることができる状態を作れるとよいです。
趣味があれば、仕事を考えずに趣味に没頭することができる時間があるとよいでしょう。
趣味はないという人は、簡単に始められるウォーキングや軽いジョギングを始めてみるのも良いかもしれません。
汗をかくことで気持ちが晴れるのが感じられるでしょう。
ポジティブストロークで信頼を寄せる
元気の良い対応は相手を元気にさせます。好感を持った対応は社員間でもお客さまでも、元気にさせることができます。このことをポジティブストロークといいます。
失敗したり、モチベーションをダウンさせてしまっている社員に対して、このように接することで元気になってくれれば、落ち込んでも立ち直ることができるという経験を得ることができます。
立ちあがった経験は大きな財産になります。このような雰囲気を当たり前に出すことができるとよい職場雰囲気を醸成することもできます。
社員が「うつかも?」と感じたときの上司の理想
社員の雰囲気がいつもよりも暗く、社員自身も、「うつかもしれない」と感じ始めているとき、上司や同僚はどのように振る舞うのがよいのでしょうか。
「元気を出せ」の一言で終われば苦労しませんが、その一言が余計に負担になったり、ストレスに感じたりすることもあります。
活き活きとした仕事姿を見せる
ポジティブストロークと同じですが、直接言葉にして元気を出すように言わなくても、その周りにいる人の姿から元気を感じ取ることができます。
まずは、気落ちしている相手のことを気に欠けるというよりも自分自身の仕事を活き活きと成し遂げていく姿を見せるのが良いでしょう。
短期目標管理をする
社員のモチベーションに合わせて、本人にとって大切な内容で目標を管理していきましょう。目標は達成できたかどうかを客観的に把握できるものにして下さい。
あくまでも目標であって、上から一方的に押し付けるようなノルマとは違うことに注意しましょう。
社員の気持ちを上向きにさせるための目標であるので、心身ともに万全な状態の人の仕事に対する目標設定とは意味合いが違うことにも気を付けてください。
目標は3か月程度で達成可能なものがよいです。あまり長すぎず、短すぎずがポイントです。気落ちしていて、ダラダラと仕事をしてしまいがちな人の時間の感覚を通常の仕事における時間間隔に戻していくのです。
新入社員も一人前に扱う
5月病になりやすい新入社員ですが、一人前に会社が扱い、期待しているということも知ってもらいましょう。過度な期待はいけませんが、社会人としての自覚を持ってもらわなくてはいつまでも甘えているままの状態になってしまいます。
他の社員同様に公平かつ平等に扱いつつも、多少メンタルでのケアを念頭に入れておくというスタンスが丁度良いです。
新入社員も信頼されているという実感を持つことができれば、自発的な行動につながるかもしれません。
まとめ:明るさと信頼関係でうつ病を治療
周囲に「気」を放つような働き方は業績にも影響を与えます。職場をそのような雰囲気で当たり前の状態とできれば、うつ病の心配とは無縁の職場となるかもしれません。
また、社員への信頼を寄せながら見守るという姿勢も大切なときもあるかもしれません。
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