
一番の低コストは何?スキルを持った社員の定着が最上のコストカット
「社員の定着は上司の器次第」
「特化したスキルが身に付けられる環境に」
「社員に浸透させたい3つの能力」
会社の中で色々なところで発生するコスト。経営を考える上では余計なコストと必要な投資をしっかりと見極めなくてはいけません。
採用広告費をかけ、選考にも時間をかけ、研修も十分に行った社員が辞めてしまっては、今までかけた費用が全て無駄になってしまいます。
研修に関わったすべての人の時間、費用を他のところに回すことができたらと考えてしまうと、何とも気持ちのやり場がなくなります。
一人の社員が会社を辞めた場合には、目に見える費用の損失もありますが、それ以上に、目に見えない潜在的な「損」も大きいのです。そこで、コスト削減の一つとして、社員が長く会社で働いてくれるということに注目し、定着率を高めていくために必要な情報を書いていますので、参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.社員の定着は上司の器次第
- 1.1.上司の楽しみは部下の退屈
- 1.2.部下の横のつながりに入らない重要性
- 1.3.ジェネレーションギャップの把握が退職防衛の鍵
- 2.特化したスキルが身に付けられる環境に
- 2.1.データベース開発会社の事例
- 2.2.仕事と子育ての両輪の重要性
- 2.3.スキルを持った社員は会社の財産
- 3.社員に浸透させたい3つの能力
- 3.1.変化を歓迎できる逆転思考力
- 3.2.自己の視点を持つ能力
- 3.3.周囲と打ち解けられる人間力
- 4.まとめ:社員の定着は日々のマインドセットが大事
社員の定着は上司の器次第
社員が会社で長く働いてくれるかどうかの定着は、上司の器によるところが大きいです。社会人として未熟である新入社員にはストレス耐性もついていなく、指導を素直に受け入れることができない人もいます。特に現代の若者は学生時代に叱られた経験が少ないせいか、周囲からの指導・アドバイスを素直に受け入れることができない人もいます。
このように、彼ら自身の課題であるものもあります。しかし、彼らの課題とは別に上司の課題もあります。部下と上司という関係上、上司の立場の方が優位になる傾向にあり、彼らの気持ちを正確に理解できていないこともあるのです。社員の定着率を上げるためには上司も部下のことを寛大な心で受け入れて成長させるということが大切なのです。
上司の楽しみは部下の退屈
上司と部下の楽しさの基準について認識を改める必要があるときもあります。上司が楽しいと思っていることが必ずしも部下が楽しいと感じていない可能性もあります。一昔前は、仕事終わりに上司と部下が居酒屋で一緒に過ごすことも多かったかもしれませんが、最近では、仕事以外のプライベートの時間まで会社の人とは付き合いたくないと考える人も多くなってきています。
時代の変化なのでしょうか。個人差はもちろんあるものの、昔の考え方で今の人たちも同じと決めつけてはいけません。
この楽しみのギャップとして、社員旅行がよく取り上げられます。会社として、社員の仲を深めたいと思い、多額の経費を費やして社員旅行を企画した会社がありました。もちろん、社員たちは休日という位置づけですから、旅行が終わった次の日からは普通に仕事に戻ります。
社長をはじめとして上司は楽しそうでしたが、実際に参加した社員の中には、旅行に行くことよりも家でゆっくりとしていたかったと思う人も一定数いたというものです。
相手が喜んでくれると思ったことが実際に喜んでくれるかどうかは別になります。厄介なのは、部下は楽しい演出をしなくてはいけないということです。上司の前で露骨に本音を話してくれる人はいないでしょう。なおさら、部下の真意が分かりにくくなってしまうのです。
「自分は楽しいけど、本当に部下は楽しいのだろうか?」という考え方が大切です。
部下の横のつながりに入らない重要性
上司と部下のつながりはいわゆる縦の関係です。それに対して、部下同士、同僚同士のつながりは横のつながりと言えます。男性同士、女性同士というのも、広義では横のつながりと言っても良いのかもしれません。
部下同士の横のつながりに関しては、上司もどのようなことを話しているのかが気になるところでしょう。しかし、そこに敢えて話に参加しようとしないという決断も時に重要なこともあります。
上司と話すときには、部下は嫌でも気を遣うものです。仕事上のコミュニケーションであれば、上司も間に入ることが必要でしょう。しかし、それ以外の場で安易に部下の話に入ることは憚れる場合もあります。
ある会社では女子会の主催を会社として後援し、会社が女性会の費用を全額負担するという企画をしたところがあります。もちろん、女性社員の中にも上役はいたそうですが、普段とは違った切り口の話が多く出たそうです。
自主的に運営されるこのような会であれば、積極的に参加した社員も多かったという事例です。このときに出た仕事上の意見は上司にも伝えられるように工夫されていたというのもこの会社のよい取り組みと言えるでしょう。
ジェネレーションギャップの把握が退職防衛の鍵
採用に時間とコストをかけた社員がすぐに退職してしまわないように、まずは世代の違いをしっかりと認識する必要があります。これは、社員に対してだけではなく、もしかしたら、取引先の方や、個人のお客様とのやり取りの中でも活かせることかもしれません。
自分の価値観が絶対的なものであるという思い込みは危険です。相手の考え方をなんでも受け入れるというのとは少し違いますが、そのような考えをする人がいるということを知っておくだけでも見えるものが違ってくるでしょう。
特化したスキルが身に付けられる環境に
最近の若者は向上心がないということを言う年配会社員の方もいますが、それは一概には言えません。もちろん、そのような新入社員もいるでしょう。しかし、全員がそうとは限りません。新社会人として新しいステージに立った彼らは、仕事におけるスキルの向上を貪欲に吸収しようとしている人も大勢います。
ここでは、離職率が高いと言われているIT企業において、特化したスキルを磨かせることで大きくなった会社を例に、社員の定着率向上のヒントにしてください。
データベース開発会社の事例
データベース(DB)とは、自分たちが保有している情報を管理し、社内で簡単に活用することができる仕組みのことです。社内だけで使えるインターネットのことであると思ってください。
データベースの技術職は社員の育成に途方もない時間がかかります。それゆえ、多くの企業が参入を見送っていました。しかし、需要は確実にあると分かっていたこの会社は、思い切ってDB産業に入り、そこだけに特化することを決断しました。
IT関連の資格に合格すると、会社から資格手当として給与が上がるという条件も打ち出し、社員のモチベーション向上にも努めたのです。
当時はライバルも少なく、人材の育成を最初から丁寧に行ったそうです。社員のスキルが徐々に向上し、小さな仕事の受注から徐々に大きな仕事の受注がかかると、信頼が蓄積されていきます。
この信頼が次の受注を取るという好循環が生まれたのです。
社員のモチベーションはますます高くなります。
そして、自分たちの持っているスキルの希少性にプライドも生まれるようになり、社員の定着率の向上にもつながりました。
仕事と子育ての両輪の重要性
仕事に没頭してスキルが上がるだけでは、実際の生活と現実を振り返ったときにどうしても無理が出てきます。
そこで、この会社では「仕事と子育て」が両立できるような仕組み作りにも注力しました。
産休・育休の制度を会社全体で利用するのが当たり前と言う雰囲気を作り出すことができているので、社員満足度も高い水準を維持しています。
スキルを持った社員は会社の財産
スキルを持った社員は会社の財産になります。様々な分野を経験してもらうために、この会社ではジョブローテーションを積極的に行い、スキルの向上とモチベーションの維持が狙いです。
また、ジョブローテーションを行い、様々な分野の仕事を経験することで勉強をしなくてはいけなくなります。勉強によって資格を取得すれば、資格手当でさらに給与が上がるというよい流れが出来上がるのです。
社員を大切にしながらよいサイクルを回すことができた成功事例と言えるでしょう。
社員に浸透させたい3つの能力
社員の定着率を高めるための周囲の働きかけや、仕組み作りは重要です。
しかし、新入社員の価値観・考え方も社会人のそれに成長してもらわなくてはいけません。そのための初期研修は非常に重要な役割を担っていると言えるでしょう。
日本人は環境の変化に弱いと言われますが、学生から社会人になるときが最も大きな変化であると思います。早い段階で環境への変化に対応する力を身に付けることで、仕事を辞めるという環境を変えての解決ではなく、自分を変えるという解決策を見出せるようになります。
ここでは、社員に養ってもらいたい3つのスキルについて書いています。
変化を歓迎できる逆転思考力
環境の変化が起こると、モチベーションが低下することがあります。自分の今までのやり方が通用しなくなり、自分が環境に適応することに面倒くささを感じることもあるでしょう。今までの方法で通用する環境を求めるために転職をするために今の会社を辞める人もいます。
早い段階で、環境が変わるのは当然であるという考えを身に付けておきたいものです。変化をするのが当たり前で、それはどんな職種であっても避けられないことを知ってもらい、自分の成長・進化によって、環境に適応することが重要なのです。
自己の視点を持つ能力
環境が変化した時に、自分と環境のギャップを自分なりに冷静に分析することが大切です。自分の現状と周囲から求められるスキルの差などを見つめなおすのです。
正解・不正解はあまり気にせず、自分なりに考えるという過程が大切です。
環境の変化を認識したら、どのようにすれば適応できるかを考える力を養いましょう。
周囲と打ち解けられる人間力
環境の変化を乗り越えるのに最も力になってくれるのが周囲の人たちでしょう。コミュニケーションを通して、よりよい人間関係を構築する大切さを若手社員は知っておくべきです。学生時代までのテストと違い、社会ではチームでお互いに意見・考えを伝えあいながら課題を乗り越えることが重要です。
学生の時のテストでは、カンニングとなってしまうので、相談が悪いことのように考える社員も少なくないのです。まずは、学生時代の価値観を捨て、社会人としての価値観を正しく持ってもらいましょう。
周囲と打ち解けることができる人間関係を創出できる人は環境の変化を乗り越えていける可能性が高いです。仕事独自のスキルも大切ですが、人間力の育成にも力を入れましょう。
まとめ:社員の定着は日々のマインドセットが大事
社員を定着させるためには、企業として取り組むべき仕事のスキルの向上や各種制度の問題もあります。しかし、社員の考え方や意識の改革が必要な部分もあります。
定着率に課題がある場合には、どこが原因であるのかを見極め、その問題を解決するための研修などが必要になります。
Next HUB株式会社が提供するHUB onは、貴社に合わせた人材研修を行うことができます。
社会人として求められる考え方、環境の変化が起きたときの自己分析の仕方など、社員の定着率を左右する研修項目も多くご用意させていただいております。
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